産後のお身体 Q&A|石川県加賀市にて肩こりや腰痛でマッサージ・鍼・整体・お灸を行う治療院。土日も営業。

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産後のお身体にお悩みのある方

ブログ2023.07.12

産後のお身体Q&A

 

このページに来られたあなたは、これからご出産を控えていらっしゃるか、ご出産を終えられてお身体に不調を抱えていらっしゃる方、または心配されているご家族の方でしょうか。

 

産後の不調の原因は主に2つあり、1つは妊娠と出産というその方の人生に於いて過去にない身体の使い方を繰り返し行うため、お身体への負荷が大きいこと。もう1つは授乳や夜泣きで睡眠が満足に取れないため、若いといえども疲労が蓄積されていることが考えられます。

 

産後腰痛

 

ご出産後に身体が痛かったり辛かったりすると、心まで辛く悲しくなってしまいがちです。すると楽しいはずの日常が憂鬱でイライラした日々に変わってしまいます。

 

ここでは産後のお身体のセルフケアや不調の予防法を、当院での経験を基にまとめました。

このページを通して産後の生活が、本来の将来へ希望に満ちた楽しい毎日となるお手伝いが出来れば幸いです。

 

抱っこ写真

 

 

産後の骨盤の歪み

 

”産後に骨盤が歪むのは妊娠と出産が原因”と、一般的に考えられています。しかし実は出産後は骨盤周りが緩んでいるため、日常生活の座る姿勢も骨盤の歪む大きな要因となります。産褥期が終わり産後2~3ヶ月が経つと妊娠によって変化したお身体が、元のお身体に戻ってまいります。しかし日常生活で骨盤が歪む姿勢を続けていると、腰痛が中々治らなかったり抱っこの姿勢で背中が丸くなったりしてきます。

 

骨盤が歪む姿勢というのは下の写真”悪い例”のような、腰から背中を丸めた座り方を継続していることで歪んできます。

 

背もたれを使った悪い例

悪い姿勢2

 

背もたれを使わない悪い例

悪い姿勢2

 

日常生活で骨盤の歪みを予防する座り方のポイントは、下の写真の良い例のように”骨盤を立てて座ること”です。

 

背もたれを使った良い例

背もたれを使用する場合は、座面の一番奥に座って空間を空けないようにしてください。

 

背もたれを使わない良い例

背もたれを使用しない場合は、お身体が丸くならないよう注意して下さい。

良い姿勢1

 

正しい座り方のイメージとしては、座った時にご自身の”お尻の穴が下ではなく後ろを向く”感じです。

骨盤の歪みと姿勢の関係ですが、骨盤が開いていると悪い例のような骨盤が寝た座り方になりやすく、骨盤がしっかりと閉じているといると良い例のような骨盤が立った座り方がしやすくなります。

 

 

産後の腰痛

 

産後の腰痛の原因で最も多いのは抱っこです。産後の仕事は抱っこ、というくらい抱っこを長時間強いられます。しかし抱っこの姿勢を少し工夫されるだけで、痛みが和らいだり腰痛治療後の再発の予防につながります。

腰痛になりづらい抱っこの姿勢ですが、基本的には↑の『産後の骨盤の歪み』でご説明した座り方が基本です。

また椅子以外の座位で歪みやすいのがソファーです。ソファーは一見リラックスして心地良いようですが、膝よりお尻が下がるため腰に負担がかかり骨盤の歪みや腰痛の原因になりやすいです。

予防するにはソファーに座らないことですが、別の方法としてはクッションや座布団を敷いて座面を高くし、且つ座面の後ろに座るようにして腰の後ろに空間を空けないようにしてください。

 

その他、あぐらにて床で生活される方も多くいらっしゃいます。あぐらと骨盤の歪みは骨盤を立てて座ることで、直接の関係はないと当院は考えております。

 

良い例

あぐら1

 

悪い例

あぐら2

 

お尻の下にクッションや枕を敷くことで驚くほど座りやすくなりますので、試してみて下さい。

あぐら3

 

 

オムツ替えによる腰痛

 

一日に何回もあるオムツ替えですが、骨盤の歪みや腰痛を予防するにはポイントが2つあります。

1、高い位置ですること

2、骨盤を立ててすること。

ソファーやベッド、ラックなどがあるようでしたらその上に寝かせて、オムツ替えをして下さい。またラックを使用する場合は、中腰ではなく面倒でも椅子に座って行って下さい。このついついをすることが慢性腰痛を引き起こします。

 

余談ですがオムツ替えの時は、使い捨ての手袋を使用することをお勧めします。

理由は、

・衛生的

・手を洗わなくて済むので手が荒れない

・外出先でのオムツ替えで手洗いの心配をしなくて済む

です。

 

 

産後の肩こり頭痛

 

妊娠前から肩こり・頭痛に悩まされていた方は、産後は更にひどくなる傾向があります。しかし抱っこの姿勢や抱っこでの腕の使い方次第でそれらは軽くも重くもなるようです。

抱っこの時に肩に力が入っていたり、背中から腰を丸めて抱っこをしていたり、と一心不乱に我を忘れて育児をされていることで、気が付くと肩こり・頭痛はよりひどくなっている方がいらっしゃいます。ちょっとしたコツでお身体への負担を減らすことが、ご自身の苦痛も減ります。肩こり・頭痛は肩甲骨のコリと密接に関係しているので以下の上半身の使い方を参考にしてみて下さい。

 

 

産後に背中が痛い

 

背中の痛みは長時間の抱っこや睡眠不足が原因で起こることが多くみられます。特に長時間にわたる抱っこを、”疲れやすい肘や手首の使い方”で抱っこをされることで背中の痛みが起こりやすくなります。

痛くならない肘や手首の使い方は、↓の項でご紹介していますのでそちらを参考にして下さい。

また立ち抱っこの際、写真のように脇を空けて抱っこをされることも、背中が痛くなりやすい原因です。

 

背中が痛くならない抱っこのポイントは、両脇をしっかりと締めて腕と身体が一体となった抱っこの癖をつけることです。

脇が空いている

 

 

抱っこで肘周りが痛い

 

抱っこで肘が痛くなる方には、肘を曲げる筋肉をまず理解していただきたいのです。

肘を曲げる時に”手のひらが上を向いている”と、上腕二頭筋(以後Aの筋)と言って赤丸の力こぶの筋肉を使います。

肘の写真1

 

また同じ肘を曲げる時に”親指が上にくる”と、腕橈骨筋(以後Bの筋)と言って青丸の筋肉を使います。

 

人間の身体は肘を曲げる時に、大まかにこのAとBの2種類を無意識に使い分けています。

 

そして抱っこで肘を曲げるさいどちらが力強く疲労にも耐えられるかというと、手のひらが上を向いているAの筋を使った抱っこです。裏を返すと肘が痛くなりやすいのは、親指が上にくるBの筋を使った抱っこということです。

 

赤ちゃんのお尻の下の手は手のひらを上にしてAの筋、背中や首の手はなるべくAの筋を多め。また手のひらだけでなく前腕の上に赤ちゃんの頭を乗せるなど手が痛くならないよう工夫する。そして脇をしめる。これがお身体に負担が少なく長時間に耐えられる肘の使い方です。

手首の使い方

 

参考までにこの写真は分かりづらいですが、Aの筋を4分の3、Bの筋を4分の1ずつ使っています。常に手のひらが上の状態での抱っこは現実的にやりづらいため、Aの筋を多めに使う腕の使い方の例です。

肘の使い方

 

 

抱っこで手首が痛い

 

抱っこで手首が痛くなる箇所で一番多いのは親指側(写真赤丸)で、

手首1

 

その次に小指側(写真青丸)です。

 

その間の真ん中が痛くなる確率はかなり低く、裏を返すとこの手首の真ん中を使った抱っこだと手首が痛くなりにくいです。

 

手首の真ん中を使うというのは手のひらを上に向ける抱っこで、上記の『抱っこで肘が痛い』でご説明しましたが、肘も手首も手のひらを上に向けて抱っこをされることが痛くならない抱っこです。

特に赤ちゃんのお尻の下の手は、手首の強い箇所である真ん中を使うことで、痛くなるのを回避できます。

 

どうしても痛い方にはテーピングをご紹介します。

この巻き方は簡易的ですので日常生活向けで、スポーツには向きませんので予めご了承ください。

テーピングは3、5㎝幅を用意して下さい。(購入はドラッグストアーや100均でも可)

 

1、15㎝位の長さに切る

2、痛い箇所を上(赤のシールと仮定)

手首1

 

3、テープの真ん中を痛い箇所にあてる

テーピング2

 

4、少し引っ張りながら片方ずつ巻く

テーピング

 

5、手首がきつ過ぎる場合は巻き直す

6、夜は剥がして手首の肌を休ませる

 

補足 初めてテーピングを使う方は切る時にコツが要り、ハサミでは上手に切れません。端を指先でつまんで、一思いで切ってください。

テーピング3

 

 

巻き肩を治す肩甲骨回し

 

長時間の抱っこを強いられるとどうしても背中が丸くなってきます。

背中が丸くなるというのはただ単に背骨が丸くなっているのではなく、肩甲骨が前に入り込んできています。この姿勢を長時間続けていると、背骨を真っ直ぐに伸ばしても前に入り込んだ肩甲骨はそのままで姿勢は真っ直ぐにならず猫背が常態化したお身体になってしまいます。

 

そうすると頑張って骨盤を立てた座り方をしても、肩甲骨が丸くなる方が骨盤を立てることより優先するため猫背は改善されません。

この丸くなった肩甲骨を元の丸くなる前の位置に戻すのが”肩甲骨回し”です。

やり方は手のひらを上やや後方に向けて後ろに大きく回すだけです。

ポイントは3つ、

1.手のひらを上やや後方

2、ゴリゴリ音がするくらい大きく回す

3、呼吸を止めずに吐きながら

肩甲骨回し体操

 

10回を1セットに、1日5セットくらい頑張ってください。

 

 

産後の足のむくみ

 

足がむくむのは体質が大きく関係していると思われます。この体質の方のお身体が冷えることで、下肢の循環障害を起こしむくむのだと考えられます。

妊娠中やご出産後はお身体の活動量が減るため、足のポンプ作用が弱くなり循環障害のお身体が日常となりむくみやすくなります。

 

改善方法はお身体を冷やさないことと、こまめに歩いて足の筋肉を使い循環を良くすることです。

またご自宅で手軽に出来る下肢のストレッチをお勧めしております。

よろしかったら以下のページでご紹介しておりますので、参考にして下さい。

ストレッチを見る。

 

 

産後に膝が痛い

 

産後に膝が痛くなるという方は、当院にいらっしゃる産後の方の3~4人に1人くらいの方が訴える意外と多い症状です。また早い方は妊娠後期から痛む方もいらっしゃいます。そして痛いのは特に朝イチの床から立ち上がる時です。

原因は妊娠によって運動不足による足の筋力の低下、ご本人の体重の増加による足への負担増、赤ちゃんを抱っこして立ち上がりを頻繁にするため足への更なる負担増、運動不足によるももの前の大腿四頭筋の硬化が考えられます。

 

治療は痛いところとその周囲に鍼をすることで、割と簡単に良くなります。

しかし再発率が高いので、再発を防ぐ足の使い方をご紹介します。

 

まず痛いのが片側の膝の方。

その方は痛い側の足を軸にして立ち上がっていると思われるので、反対側の痛くない足も使うようにして下さい。しかし痛いからと痛くない反対側を軸にして使いすぎると痛くない反対側も痛くなります。

理想は痛みが和らぐまでは痛くない側を中心に、痛みが和らいだらどちらか片側を軸ではなく”左右均等”を意識して下さい。

 

次に両膝の痛い方。

多分もともとは片側だけだったのが、だんだん酷くなり両方の膝が痛くなってきたのだと思います。両膝が痛い方はセルフケアで痛みを改善させるには少し時間がかかります。

 

痛い箇所で多いのは膝のお皿(膝蓋骨)の上の内側、次にお皿の上、お皿の下の順です。

膝の痛い箇所

 

お皿の内側が痛い方は立ち上がる時に、写真のように足が内股よりになって足の親指の内側に体重をかけて立ち上がっています。

膝の写真

 

これを足は真っ直ぐにし、親指と人差し指の間くらいに体重がかかるのを意識して下さい。ただしこの足の使い方は痛みは回避するのですが、踏ん張りがききません。そのため立ち上がる時は椅子を近くに置いて、椅子を使って立ち上がるよう工夫して下さい。

膝4

 

膝の痛みを早く治すには、当然ですが痛いところに負荷をかけないことです。しかし育児中は抱っこが多くどうしてもその立ち座りの時に、膝に負荷がかかってしまいます。

 

痛みが出て間もない方は、赤ちゃんを抱っこしながらの立ち座りを極力しない、床の生活が中心でも床にはなるべく座らない、など膝に負荷のかかる動きを減らすことを心がけるだけで、改善される方もいらっしゃいます。

 

 

腰痛・膝痛を予防する2段階立ち上がり

 

赤ちゃんを抱っこしながら床から立ち上がったり座ったりという動作は、生活様式にもよりますが1日に何回・何十回と強いられることになると思います。実はこの抱っこをしながらの『立ち上がりと立ち座り』が、腰痛・膝痛の原因であったり、またはそれらがなかなか治らない要因であったりします。

 

そこでそれらを回避するために面倒でも実践していただきたいのが、2段階で行う立ち座りです。

まず家具や椅子、赤ちゃんラックなど身近で赤ちゃんを置ける家具を、ご自身の立ち座りの傍に置くようにして下さい。そして立ち上がる時、又は座る時だけ赤ちゃんをその上に置いて、ご自身だけで立ち座りをして下さい。

その後、立ち膝又は立ったj状態で赤ちゃんを抱っこして次の動作に移るようにしてください。

 

実際の生活では、”寝ている赤ちゃんを起こしたくない時以外”ということになると思いますが、面倒でもこの2段階で立ち座りをされることで、お身体の特に足腰の負担はかなり減ります。

 

特に妊娠を通して体重が増えている方は腰が膝が痛くなりやすいため、痛くなくてもこのようにされることで、後に痛くなりにくいと思われます。

 

 

体重が戻らない

 

骨盤が歪んで代謝が落ちているため体重が戻らない、というお声を院内でも耳にします。

特に産後の授乳期は母乳のために栄養が必要の割に日常生活の行動が育児で制限されてしまうため、中々痩せづらいものです。

考え方を変えて、ダイエットは授乳期を終えられたら頑張られるのがよろしいのではないでしょうか。授乳期は食欲が旺盛なお身体ですが、出来るだけ抑えるようにして体重を増やさないようにし、来るべき授乳終了の時に備えてみてはいかがでしょうか。

食欲が旺盛なまま食欲に任せた生活をしておりますと、授乳期が終わっても食欲を抑えるのは難しく太る一方となりがちです。

 

 

随時更新しております。

 

以上

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